日本観光協会『観光の実態と志向』によると、民宿の利用率は六・七%の水準で伸び悩みの傾向をみせており、最近では減少さえ示している。軒数も同様に伸び悩んでおり、年間一〇〇〇軒以上という急成長をみせた三十年代とは状況が大きく異なる。また厚生省の調査では、四九・四%に当たる施設が利用客数の減少を訴えており、経営環境が厳しいことをうかがわせる。この原因が、利用者ニーズの高度化にあることは間違いない。民宿のほとんどが農・漁家の転用である関係上、設備投資負担が少ない反面、アメニティ水準は高くない。
[参考サイト]
ロイヤルパークホテル
http://www.jalan.net/yad381123/
浅虫温泉
http://www.jalan.net/onsen/OSN_50030.html
那覇ビジネスホテル
http://www.jalan.net/biz/470000/LRG_470200/
泡の湯
http://www.jalan.net/yad361873/
高知新阪急ホテル
http://www.jalan.net/yad322158/
また料理や家族労働によるサービスなど商品面でも、日常生活の水準が向上してしまった利用者に対応することは難しい。さらに競合する価格帯で、より利用者ニーズに適合したペンションが登場したことも痛手であろう。こうした問題点を解消するための一つの方法が、専業化・大規模化である。こうした。“民宿の旅館化”の方向は、多少なりともアメニティを向上させる効果はあろう。しかし施設に対する投資は、金利負担を通じて稼働率の圧力を高め、必ずしも経営が改善されるとは限らない。同時に旅館化は、素朴さと家庭的魅力を失わせることにもなりかねず、これらを民宿に求める利用者離れを引き起こしかねない。民宿は現在、深刻なジレンマに陥っている。