時代に流されることなく、客にとっての心地を模索する

2011.11.19

料理が代表するように、この宿は肩の力を巧く抜いた、ごく自然体の宿である。今流行りの個室露天風呂もなければ、スタイリッシュなバーもない。川の崖っぷちに立つという立地条件から安全性、快適性を考慮して、鉄筋の建物である。ではあるのだが、その館内に流れる空気は木造のそれである。華美に過ぎぬよう細心の注意を払って簡素な美を控えめに打ち出している。こういう空気は中々雑誌やテレビでは表し難いもの。泊まって初めてそのよさが解る。

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「緑霞山宿藤井荘」はその典型である。日本旅館へ泊まりに来る客。その望むものは何か。若主人は常に模索し、思案し、そして実行に移している。時代の流れを絶えず見てはいるか、決して時代に流されることはない。そのバランスを保つ宿で過ごす心地よさがここ「縁霞山宿藤井荘」の最大の魅力である。




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